はじめに:僕の故郷ブラジルに、「冬の乾燥」は無かった
こんにちは、ブラジル人パパです!
僕の故郷ブラジル(特に僕が育った地域)は、一年中暖かく、冬といっても日本の春や秋のような気候でした。「寒い」と感じることはあっても、それは一時的なもの(もちろん、現在はブラジルでも寒い地域はあります)。
ましてや、日本の冬のように「空気が乾燥して痛い」なんていう感覚は、これまで経験したことがありませんでした。
そんな僕が、日本で初めての育児の冬を迎えた時…。それはもう、驚きとカルチャーショックの連続でした。
「え、赤ちゃんってこんなに着せるの?」 「”乾燥”って、そんなに大騒ぎするほどのこと?」 「鼻水は…”吸う”!?」
今日は、そんな南国育ちのパパが、日本の冬の育児で度肝を抜かれた3つの衝撃と、試行錯誤してたどり着いた「我が家の冬の乗り越え方」について、本音でお話ししたいと思います。
衝撃①:「何枚着せるの!?」日本の赤ちゃんの完全防備ファッション
最初の衝撃は、服装でした。
ブラジルでは、赤ちゃんは基本的に大人より一枚少なく、とにかく薄着で育てるのが一般的です。「風の子」なんて言葉がぴったりで、少しくらい寒くても元気に走り回っています。
しかし、日本で迎えた最初の冬。息子に着せる服の枚数に、僕は文字通り目を丸くしました。
2-1. 謎のアイテム「スリーパー」との出会い
肌着、ロンパース、その上にベストを着て、さらに靴下を履かせて…。 「これで完璧!」と思ったら、妻が取り出したのが、あの「スリーパー」というアイテムでした。
「ナニソレ、寝る時用の特別な服?」



「違うよ、布団を蹴飛ばしてもお腹が冷えないようにする”着る毛布”だよ」
着る毛布!? 寝る時までそんなに重装備なの!?と、ブラジル人パパは驚きを隠せませんでした。ブラジルでは、そこまで着る必要なかったから…。
でも、実際に使ってみて納得。確かに息子は寝相が悪く、朝方には必ず布団の外に出ています。このスリーパーがなければ、毎朝お腹を冷やしてしまっていたかもしれません。日本の知恵、恐るべしです。
2-2. 暖房の正解がわからない…室温と服装のベストバランス
そして、さらに僕を悩ませたのが「暖房と服装のバランス」です。
エアコンをつけると、今度は「着せすぎ」で汗をかいてしまう。かといって暖房を消すと、すぐに部屋が寒くなる…。
「室温は20℃〜23℃が目安」 「湿度は50%〜60%を保ちましょう」
育児書にはそう書いてありますが、南国育ちの僕には、その「快適な温度・湿度」をキープすることが、まるで難解なミッションのように感じられました。
「ブラジルみたいに、窓を閉めて上着一枚!」というわけにはいかない日本の冬。この「微調整」の連続こそ、僕にとって最初の試練でした。
衝撃②:「鼻水は吸う!?」日本のハイテク風邪対策グッズ
次の衝撃は、風邪対策でした。
赤ちゃんは本当によく鼻水を垂らしますよね。ブラジルでももちろんそうですが、その「対処法」が全く違ったのです。
3-1. カルチャーショックNo.1「電動鼻吸い器」
息子が初めて鼻風邪を引いた時、妻が取り出したのが「電動鼻吸い器」でした。 ウィーンという機械音と共に、息子の鼻水をズズズーッと吸い上げるあの光景…。
「え!?な、何してるの!?」



「鼻水吸ってるの。自分で鼻がかめないから、中耳炎になっちゃうよ」
衝撃でした。 ブラジル人パパ、心の底から驚きました。鼻水は、”吸う”ものだったのか、と。
ブラジルでは、鼻水が出たら「ティッシュで拭く」か、「自然に治るのを待つ」のが基本。もちろん、高熱が出たり咳がひどければ病院に行きますが、鼻水程度で機械を使って吸い出すという発想は、僕の中には一切ありませんでした。
日本には、親が口で吸うタイプのものまであると知り、二度びっくり。日本の育児グッズのハイテクぶりと、その細やかさには本当に頭が下がります。
3-2. ブラジル流「風邪の治し方」との違い
ちなみにブラジルでは、赤ちゃんが風邪気味になると、薬に頼る前に、まず「おばあちゃんの知恵」が登場します。
例えば、ミントやユーカリの葉を煮出した蒸気を吸わせたり、温かいはちみつレモン(1歳以上)を飲ませたり…。もちろん、これらは医療行為ではありませんが、そういった自然のもので治そうとする文化が根強く残っています。
(日本の「電動鼻吸い器」は、おばあちゃんが見たら腰を抜かすかもしれませんね)
ブラジル人パパも驚愕!日本のハイテク「電動鼻吸い器」をチェックしてみる!
衝撃③:「加湿器」は必須!?未知なる敵、「乾燥」との戦い
そして最後の衝撃が、日本の冬の最大の敵、「乾燥」です。
前述の通り、僕の故郷に「乾燥」という概念はほぼありません。一年中、ある程度の湿度があります。
だから、日本に来て「加湿器」という機械が家にあることにまず驚きました。 「なぜ、わざわざ部屋の湿度を上げる必要があるんだ…?」と。
4-1. 赤ちゃんの肌がカサカサに…保湿クリームの種類の多さに驚愕
その答えは、息子の肌にすぐに現れました。
日本の冬の乾いた空気は、赤ちゃんのデリケートな肌には強すぎたのです。少し油断すると、頬や手足がすぐにカサカサになってしまいました。
そして、ドラッグストアに行って再び驚愕。 ベビーローション、ベビーミルク、ベビークリーム、ベビーワセリン、ベビーオイル…。
「保湿クリーム、種類ありすぎ!!」
どれがどう違うのか、何が息子の肌に合うのか、棚の前で途方に暮れたのを覚えています。
4-2. リビング、寝室…我が家の湿度との格闘
そこから、我が家と「乾燥」との戦いが始まりました。
リビングには強力な加湿器を導入し、寝室には寝る時専用の静かな加湿器を。 湿度計を睨みながら、「湿度50%」を死守する日々。
ブラジルでは太陽と戦っていましたが、日本では湿度と戦うことになるとは、思いもよりませんでした。
デリケートな赤ちゃんの肌を守る!人気の「ベビー保湿クリーム」をチェックしてみる!
【必ずお読みください】 この記事で紹介している服装の選び方や風邪の対策、肌のケアなどは、すべてブラジル人パパとしての僕個人の経験と、ブラジルとの文化比較に基づいたものです。
僕は医療の専門家ではありません。
お子さんの体調や健康について心配なことがある場合は、この記事の内容だけで判断せず、必ずかかりつけの小児科医や専門家にご相談くださいね。
まとめ:試行錯誤してたどり着いた、我が家の「ハイブリッドな冬の乗り越え方」
「着せすぎ」に悩み、「鼻吸い器」に驚き、「乾燥」と戦った、僕の初めての日本の育児の冬。
文化の違いに戸惑うことも多かったですが、一つだけ確信したことがあります。
日本の細やかな育児も、ブラジルの大らかな育児も、根っこにある「子どもを守りたい」という親の愛情は、まったく同じだということです。
日本の育児は、スリーパーや鼻吸い器のように、赤ちゃんの不快を先回りして取り除いてあげる「守りのケア」がとても進んでいると感じます。 一方、ブラジルの育児は、多少のことでは動じず、赤ちゃんの自己治癒力を信じる「待ちのケア」が得意なのかもしれません。
今では、我が家もすっかり「ハイブリッド」になりました。
部屋では加湿器を焚きつつ、服装はブラジル流に少し薄着を意識してみる。 鼻水が出たら「鼻吸い器」でしっかりケアしつつ、保湿クリームをたっぷり塗る。
試行錯誤はまだ続きますが、両方の国の良いところを取り入れながら、我が家らしい「冬の乗り越え方」を見つけていきたいと思います。
この記事が、同じように日本の冬の育児に奮闘するパパ・ママの、何か少しでも参考になれば嬉しいです!











コメント